お祭り評論家は誰に向けて仕事しているか

直接的には各種メディアが主なクライアントとなるわけですが、その先といえば、

「お祭りを楽しむ人」

のために仕事をしていると言ってもいいだろう。

いわば、お祭りの中の人ではなく、お祭りの外の人、一般参拝者、観光客のためといってもいい。

なぜそういうスタンスになったのか。

私が生まれてから最近までずっと「お祭りの外の人」で居続けたからなのと、そういう「外の人」向けの情報が少なかったからです。

今でこそインターネットでの情報が充実してきて、大きな祭りだとあらかじめ検索して調べてから行くのが常識になるつつあります。
しかし、中小規模の祭りだと、今でもネットでの公開情報がほとんどなく、日程とだいたいの場所だけ調べて、あとは行き当たりばったりで行くしかないのが現状だったりします。

そういった「外の人」にとって役立つ情報などを発信していければと常日頃考えております。

そこで問題となったのが、今回のコロナ禍。
祭りの「外の人」と「中の人」との温度差を痛感する出来事が。

例えば、今年の岸和田だんじり祭り。
公式には「神事のみ開催、だんじり曳行自粛」という情報。

コロナウイルス感染症拡大防止のため、できるだけ関係者以外は行かないよう、行っても何もやってないかもしれませんよ、というアナウンスだから、観光客など外の人にとっては「事実上の中止」に等しい。

実際、今年岸和田へだんじりを見に行った観光客はほぼ皆無だろうし、当然ながら旅行会社からの「だんじり祭り観戦ツアー」なるものも発売されていない。

でも、実際には「神事は行いますし、節度をもってだんじりの曳行を自粛してくださいね」ということなので、中の人にとって祭りは「中止」ではない。
中止と書いたら、めちゃくちゃ怒られました。

あくまで「自粛」なので、例年通り派手には動いてないそうですが、実際には警察の道路使用許可をとって、少しだけだんじりを動かした町もあったらしい。

例えば、こんなかんじ。

(だんじりや太鼓台などを公道で動かすときは、あらかじめ警察の道路使用許可を得ないといけないのです。例年通り祭りがあるときは比較的おりやすいけど、祭りが中止になっていたり、新規で祭りを始めたり、コースを大幅に変更するときなどは、道路使用許可を得るのが非常に難しいそうです。
あえて中止ではなく「自粛」という言葉にこだわったのも、名目だけではなく、そういった実務上の問題があるのかもしれない。東日本大震災後にもあったが、いったん祭りを規模縮小すると翌年以降はそれが前提ベースになるので、警察や行政の許可関係で元の規模に戻すのが難しくなるらしい)

これだけ、外の人と中の人とでは、祭りに期待するものとか、温度差が違うわけですから、慎重に、注意しながらも、必要な人に必要な祭りの情報や熱量がきちんと届くようにしないといけないわけです。

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