植松努さんのブログで出ていた記事
「そろそろ進路指導のやりかたをかえたら?」
に、好きを仕事にしたい多くの人が忘れてはいけない非常に重要なことがのっていた。以下に、重要な部分だけを引用したいと思います。
大人は、職業名や、資格名、役職名で考えがちですが、それでは思考が極端に限定されてしまいます。そして、その職業に就けなかったり、その資格が取れなかったりしただけで、
夢をあきらめることができてしまいます。
それは、手段と目的を間違えているからです。
職業も、資格も、役職も、手段に過ぎません。
しかし、「なぜなりたいのか?」を考えることができたら、
そのための手段が沢山あることに気がつくことができます。
そうすると、夢をあきらめなくてよくなります。
お仕事について「なぜなりたいのか?」を考えることは非常に重要。
言い方をかえれば、「手段と目的を間違えないこと」が大事。これを間違えると、人生の大きな時間とエネルギーをムダにすることになりかねません。
例えばあなたが、お祭り好きで、好きを仕事にしたいと考えたとしましょう。
祭り好きだから「祭り用品店」を開業したとします。
これ、「なぜなりたいのか?」を考えて「祭り好きで祭りに近い仕事をしたい」という理由でお祭り用品店を経営すると、肝心の祭りのときにフラストレーションがたまることになりかねません。お店を開いている間、肝心の祭りへ行けなくなる可能性が非常に高いとは思いませんか?
だいたいお祭り用品店がかき入れ時は、その地域で祭りをやっている期間に決まっていますから。
祭り好きの99%をしめる「自分とこの祭りだけが大好き」という人に、「お祭り評論家」「お祭り研究家」というお仕事はおすすめできません。これは、私のライバルをつくりたくないというセコイ理由では決してありません(笑)。
好きなこととはいえ、社会科学全般、特に民俗学・人類学・宗教学・社会学・政治学・観光学などについて幅広い知識が必要です。
勉強が嫌いな人はもちろんですが、大学で理系が専攻だった私もこの点では非常に苦労します。
また、仕事柄当然ながら聞いたことがない遠くの祭りについてコメントを求められます。今はネットがあるから大分楽にはなりましたが、自町の祭りのことしか知らないというのでは、かなり厳しいでしょう。
何より、仕事のために自分ところの祭りに参加できなくなることを覚悟できますか?
例えば岸和田海側(9月開催)のだんじりでは、7月初旬頃から9月の祭り本番まで毎晩のようにだんじり引っ張る練習をするそうですが、私の仕事でもこの時期は取材や執筆や講演・出演などで超繁忙期です。私も、若いときから地元で祭りにかかわっていたら、この仕事はやってなかったと思います。
「自町の祭りが大好き」で、「同級生と祭りの話をするのが大好き」というなら、地元密着型の居酒屋さんを開業するほうがまだマシかもしれません。
祭り好きと酒好きは非常に親和性が高いですし、うまくいけば祭りの寄り合いで自店を使ってくれるでしょう。個人経営なら、祭りの日を臨時休業にすることも可能です。現に、『酒場放浪記』を観ていると時々、「祭り好きの大将」が出ていることがありますしね。
「なぜそれをしたいのか?」を考え「手段と目的を間違えないこと」で、人生の大きな時間とエネルギーを年単位で節約することが可能となります。
若いときに、そこをよく考えることに時間を費やしても決してムダにはなりません。
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