メディアで紹介する祭り・紹介できない祭り、その違いとは?

雑誌や新聞、テレビやラジオなどで「おすすめの祭りを紹介してください」と言われたとき、我々は何を基準に選んでいるのか。
主催者からワイロや接待を受けた祭りを紹介している、ということは決してなく、読者が行って良かった、と言える祭りを紹介するよう、我々は常日頃、取材や情報収集などで努力しています。

それでは、どんな基準で選んでいるのか。

1.わざわざそこに行かないと見られない・体験できない特徴的な行事があるか
他の祭りとの相違点が何か、というのをまず我々は見ます。
旅行者の目からみて、わざわざ旅費と時間とをかけて行きたくなる祭りかどうか、それがメディアで紹介するとき重要なファクターとなるわけです。
時々「我が祭りは日本一誇れる祭りなのになぜ紹介されないんだ!」と憤慨される方もいらっしゃいますが、遠方の人がわざわざその祭りを見に行くかどうか、という視点で見たら、すぐ理解できるかと思います。

たとえば岸和田だんじりだと「高速のやりまわし」、青森ねぶただと「だれでも参加できるハネト」、豊浜鯛まつりだと「巨大な鯛の人形が海をわたる」など、見た目でわかる特徴的なものがあるかどうか、それがメディアで紹介するとき、編集部などデスクを説得する重要な材料になってきます。
他のだんじりを紹介するときは、その地区で「岸和田と明らかに異なる点は何か」を探して紹介することになります。たとえば泉北深井のだんじりなら「夜のやりまわし」とか、西条まつりのだんじりなら「川に入るだんじり」とか。

2.多くの人が来ても混乱しない見物スペースや、交通等インフラがある
せっかく行っても境内や見物スペースが狭くて入場できず、何も見えなかった、という祭りはさすがに我々としても紹介しづらいです。
あと、宿が絶望的にとりづらい祭り、行き帰りの列車に乗るのに何時間も待たなくてはいけない祭り、公共交通機関では行けず駐車場も少ない祭り、トイレや飲食場所に困る祭り、こういうインフラが細い祭りはできるだけ紹介しないようにしています。
たとえば高山祭、越中おわら風の盆、鞍馬の火祭など・・・
どうしても紹介しなくてはならない場合、「混雑がすごいので覚悟して来てください」と警告を出すこともあります。

3.主催者側が「観客・参拝客」をウエルカムしているかどうか
祭りは本来、氏子の祈りのためにやるものであり、参拝客を楽しませるという要素はあくまで二次的なものにすぎない。だから、混雑が激しい祭りや、静粛さを何より大事にする祭りだと、「観客がこれ以上増えると困る」という具合になります。

それは、取材をすすめていくと自ずから分かってきたりするものです。
取材や写真資料などが有料だったり、もしくは取材そのものが困るという態度をとられたり、取材許可の取得が煩雑、など取材のハードルが高かったりするものです。

そういう祭りは、我々としても「その祭りを維持するために」あえてできるだけ紹介しないという方向ですすめていくことになります。

もし、これら全てクリアしてるけど、なぜうちの祭りには取材が来ないの、という祭りの主催者がいましたら、お問い合せフォームなどでお知らせください。

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