仕事を選ばなければいくらでもある、という考え自体が甘ちゃんな理由とは

労働や貧困問題などのテーマで、ヤフーニュースや匿名掲示板を見てるとよくある書き込みが、

「仕事など選り好みしなければいくらでもある!つべこべ言わずに働け」

ハローワークや求人情報誌などで山のようにある求人を指して、こういうことをいうのでしょう。「飲食・運送・介護など引く手あまただよ」とも。

でも、本当に選ぶ権利があるのは、働く側ではありません。
お金を出す側(求人側・発注者側)に100%権利があるのです。

本当の「選ぶ権利」は、求人側に100%権利があるのです。

大事なことなので、2度言いました。

たとえ引く手あまたであるはずの飲食・運送・介護業界でも、いくらやる気がある人でも、「求人側に選ばれなければ」働くことなどできません。

私もかつて生活に困ったとき、飲食業のバイトを申し込んで何件も断られたことがあるし、悪いことをしたわけではないのに、Web関係の仕事をわずか2日でクビになったことも過去にありますので、このことは非常によく分かります。

自分が求人側・発注者側に回ると、一発で理解できるはずです。
自分が仕事をお願いするとしたら、どんな人に頼みたいか。

「仕事は選ばなければいくらでもある」

というコメントをする人に、じゃあお前がその人を最低賃金以上で雇えるか、と言ったら、99%以上の確率で黙るかキレるか無理というか、でしょうから。

※カバー写真は、かつて半年ほど Androidアプリのプログラミングを学びに行ってたときの様子。
同期で入学した40人中、わずか12人しか「卒業」を認められなかったほど厳しい学校でしたが、私も何とか、かろうじて卒業生の中に入ることができました。それでもその業界で就職枠には選ばれなかったほど、IT業界は非常に狭き門であります。

自営業の場合はもっとシビアです。
いったん雇われたらいわゆる労働三法で、ある程度は雇用と賃金が守られる従業員とは違い、客商売はその場で買うか買わないか。契約で縛りがなければ、いつでも買うのをやめたり解約したりできますので、より厳しいといえます。
お客さんに商品・サービスを買ってもらえるかどうかは、働く側には全く権限がなく、お客さんが100%選択権を持っているのです。

どんなに優秀な働き手でも、(暴力団などを除き、少なくとも合法的な手段では)お客さんに労働力の「押し売り」をすることはできません。

働き手である自分としては「能力を高め、適切な売り込みをしていく」ことしかできないわけですし、だからこそ、お仕事で数あるなかから私どもを選んでくださる人・企業・団体さんには、本当に感謝しかないのであります。

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