- 2016-7-9
- 鉄道・電車旅
ICカードが普及したせいか、「途中下車」の制度が意外と忘れられてるケースが多いですが、ときにはこれを知っていると少なからず得をする場合があります。
JRでは、片道101キロを越える乗車券の場合、原則として券面に書かれた区間のどこでも途中下車ができます。有効期限内であれば、逆戻りさえしなければ何回でも途中下車可能です。また、新幹線でなくても、在来線でも可能です。【例外もあるので、本文末の「注意点」は必ず目を通しておいてください】
例えば東京を出発し、大阪で用事があって途中下車し、その後広島まで行った場合を想定してみます。
1.その都度別々に乗車券を購入の場合
東京→大阪 | 大阪→広島 | 合計 | |
乗車券 | 8,750 | 5,620 | 14,370 |
新幹線特急券 | 5,700 | 4,820 | 10,520 |
2.乗車券を通しで買い、大阪で途中下車した場合
東京→大阪 | 大阪→広島 | 合計 | |
乗車券 | (通しで) 11,660 | ||
新幹線特急券 | 5,700 | 4,820 | 10,520 |
(特急料金はのぞみ指定席通常期で計算)
特急券はお得になりませんが、乗車券は通しで買うと 14370 – 11660 = 2710円お得になります。
さらに、名古屋でも用事があって途中下車したとすると、こうなります。
(特急料金はあえて計算してません)
東京→名古屋 | 名古屋→大阪 | 大阪→広島 | 合計 | |
都度別々に乗車券を購入 | 6,260 | 3,350 | 5,620 | 15,230 |
通しで乗車券を購入 | 11,660 |
何と差額は3,570円に。
ヘタに金券ショップでコツコツ節約するよりも大きいです。
なぜこんなことになるのかというと、JRでは「長距離であればあるほど、1キロあたり単価が安くなる」という制度のためです。これを「遠距離逓減制」といいます。その極端な例が、大阪から青森をまわって京都(山科)まで大回り乗車するというような片道切符です。
ちなみに、東京~広島だと、片道601キロを越えるので、「往復割引」と組み合わせればさらにお得です。
※新幹線のエクスプレス予約会員になってる方は、EX-ICカードでピッと乗ると上記1.のように「都度別々に乗車券を買う場合」になってしまうので、紙の乗車券と、それぞれの区間のe特急券とを買うようにしましょう。
【注意点】
・特急券には「途中下車」の制度はないので、特急券だけはその都度別々に買う必要があります。
・乗り放題券ではないので「後戻り」や「経路外乗車」はできません。
(例1:東京→広島のきっぷで大阪で途中下車したあと、名古屋で降りようとする)
(例2:大阪→東京のきっぷで横浜で途中下車>東神奈川~横浜の運賃が別途徴収)
(例3:広島→東京のきっぷで鶴橋で途中下車>新大阪~鶴橋の運賃が別途徴収)
結果的にお得にならないケースもあるので、予定はよく考えて組みましょう。
・きっぷの目的地となる市内・都区内では途中下車できません。きっぷは回収されます。
(例:大阪市内→東京都区内のきっぷで、品川で降りると途中下車とはみなされずきっぷは回収される)
・回数券や一部のとくとくきっぷでは、原則として途中下車できません。切符を買うときに条件をよく確かめましょう。
・「大都市近郊区間内(いわゆる120円大回りエリア)」で完結する乗車券は、途中下車できません。
その極端な例がこちらで、全長500キロほどあるのに、「東京近郊区内」で完結してるため当日限り有効、途中下車不可という恐るべききっぷになっています。
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