YOSAKOIソーランが地元民に嫌われる4つの理由

今日は埼玉へ日帰り出張。
帰りの新幹線で「きょうから札幌でYOSAKOIソーランが開幕」という電光掲示板ニュースが流れていて、私もかつて、こいや祭りのチームで札幌のYOSAKOIソーランへ踊りに行った懐かしい記憶がよみがえりました。

しかしこの札幌でのYOSAKOIソーラン、実際、地元民にはあまりよく思っていない人も多いようで、地元民にこれだけ嫌われる地元の祭りというのも珍しい気がします。もっと不思議なことに、高知では地元のよさこい祭りを嫌ってる人ってあまり聞かないです。

ヤフー知恵袋でも、北海道「よさこいソーラン祭り」ってやる意味が・・・(原文ママ)という疑問が出てくるくらいです。あえて見ませんが、2ちゃんねるなど匿名掲示板あたりだと、もっと厳しい意見が出ているでしょう。

私のブログでも、「YOSAKOI系の曲がり角?」という記事がここのところ人気記事にあがってきているので、整理してみることにしました。

1.騒音・交通規制

祭りの期間は札幌の目抜き通りをはじめ、市内のあちこちの会場で交通規制が行われるため、クルマが使い物にならなくなり、祭りに関係ないひとにイライラを募らせることになります。

祭りの音はどこの祭りでもするものですが、太鼓や鉦といったアコースティックな音ならあまり不快感を感じないものですが、スピーカーで拡声された音は、その音楽を嫌いと思う人により不快感を与えるものです。

2.参加者のマナー

よく言われるのが「地下鉄車内を衣装着たまま大声で騒いでる」「集団で車両を占拠している」という声。
祭りの性質上、会場移動の間にいちいち衣装を着替えていられないという特性はあるにせよ(我々のときは伊丹からの飛行機内でも衣装のままだった)、衣装のままで電車内でハイテンションでいる集団って目立ちますよね。祭りをよく思ってない一般市民にとって、目障りな存在であったに違いありません。

3.過度な商業主義

参加費、観覧席料、オリジナルグッズの使用料、放映権料など、直接課金型・応益負担型のイベントになっていることで、「儲け主義」「興ざめ」と嫌われることが多くなりました。

従来の祭りは企業・個人からの寄付金や自治体からの交付金に運営資金を依存する「応分負担型」であり、儲かっている企業や個人から多額の寄付をもらう代わりに、お金がなくても見たり楽しんだりできる。
景気が悪くなると、寄付等が減少して祭りの維持発展に大きな支障が出るというデメリットがある。

そこで、祭りの安定的維持発展を目的に、安定的な収益源を求めてグッズ販売などに力を入れてきたという話であり、そのために「YOSAKOIソーラン」の名称およびロゴを全類商標登録するという力のいれようであります。

ただ、観客や一般参加者がたとえ居なくても、祈りをささげるのが本来の祭りや神事の目的であり、観客や資金が少なければ、それに応じた規模でやるのが祭りというもの。
※祭りの無形文化財的価値の保存はまた別問題です。

祭りの発展を「手段」ではなく「目的」にしてしまったのが、yosakoiソーラン最大の不幸であるといえます。

4.「地元民がつくった祭り」ではないこと

お祭りは地元の人の熱意があってこそ、その祭りが成立し栄えるのです。

YOSAKOIソーランのもととなった高知の「よさこい」も、YOSAKOIソーランをもとにして作られた全国のよさこい系のイベントも、どちらも地域を盛り上げていこうという地元の人の熱い願いがあってつくられたものです。

YOSAKOIソーランだけが、地元出身者でないひとが作り上げた祭り。創設者は愛知県春日井市出身の方。札幌市民にしてみれば、突然地元のひとでない方がイベントを勝手に作りあげ、道路を封鎖して大ボリュームでお祭り騒ぎを始めた、という感情を持っている人がいるかもしれません。

誤解がないように言っておきますが、短期間であれだけの祭りをつくりあげてきた創設者のやってきた業績はすごいと思いますし(創設者とは一度だけ京都でお会いしたことがあります)、私自身、YOSAKOIソーランは嫌いではないですし、この祭りの行く末を興味深く思っています。

それだけに、どこかで地元住民とのボタンの付け違いのようなものがあったのがとても残念に思います。

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