大きな祭り中心に紹介する3つの理由

本日は、ラジオの「ほたるまち旅行社」をお聞き下さいまして、ありがとうございます。

さて、ラジオに限らず、テレビでも雑誌でもインターネットでも、おすすめの祭りを聞かれたとき、特に条件がない限り、指定された時期のなかで「大きな祭り」を紹介することが多いです。
「お祭り評論家なら町や村の隅々にある『知る人ぞ知る』祭りを知っているのでは?」と思われるかたもいるかもしれませんが、そんな祭りを知っていても、マスメディアでは原則ご紹介したくてもできません。

なぜか。

1.祭り会場の広さが必要
メディアで大々的に紹介する場合、大量の見物客がやってくる可能性があります。そんなとき、小さな町や村で行われる祭りの場合、あっという間に見物客であふれてしまい、何も見えなかった、会場にも近づけなかった、ということにもなりかねません。
せっかくのいい祭りも、評判を落とすことになるでしょう。

2.来場客をさばくインフラが必要
有名な祭りにもなると、1日で10万人以上の来場客が来るといわれてます。
通勤電車(山手線や大阪環状線のような電車を想像してください)1両で運べる人間が、乗車率200%で約300人。仮に大阪環状線を3分間隔で動かしたとしても、10万人を運ぶには単純計算で2時間以上かかります。
祭りとなれば、電車のほかに、道路・駐車場・食事場所(屋台やコンビニだけでは苦しいでしょう)・宿泊・トイレ・警備・清掃など、あらゆるインフラが大量に要求されるようになるはず。
大きな祭りで、少々我々がメディアで紹介したくらいでは増加率がしれている、という祭りでない限り、下手に紹介したらパニックや、事故や事件がおきます。

3.祭りの雰囲気が変わるおそれがある
そこまでして大量の見物客が来ても耐えられるような祭りができたところで、村人数百人がひっそり楽しむ祭りと、何十万人が一時に来る祭りとでは、まったく雰囲気が変わってしまう恐れがあることは、想像に難くないでしょう。

以上の1~3があまり考慮されないまま有名な祭りとなってしまった極端な例としてあげられるのが、富山県の「越中おわら風の盆」。

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数十年前までは村の小さなお盆行事だった祭りが、小説やメディアなどで有名になって以来、あの狭い領域に3日間で40万人も来る祭りとなってしまいました。
祭り当日は高山本線でも大量の臨時便がでるとはいえ、単線で、増結して4両編成のディーゼルカー。単線なので15分に1本しか動かないわけで、越中八尾駅には大量の積み残しが出たともいわれています。

こういった祭りは、我々としてはあまり積極的には紹介しないようにしていますし、どうしても「おわら風の盆」を紹介するときは
「覚悟を決めて来てくださいね!」
と言うようにしています。

もし、あまりメディアに紹介されていない無名な祭りで、「何十万人来ても大丈夫な広大な祭り会場がある」「宿泊もトイレも交通の便もばっちり」「賑やかなほうがありがたい」という都合のいい祭りがありましたら、お問い合せフォームからぜひご一報ください

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